歴史と伝統息づく軽井沢の魅力をご紹介!
2013年4月25日
色鮮やかなトマトや朝露のこぼれそうなレタス。街かどのショップで、レストランの軒下で、軽井沢のあちらこちらで、瑞々しい野菜に出会えるこの時期つくり手こだわりの味を楽しみながら、高原の自然をめいっぱい、体の中に取り込んでいこう
直売所で知る地物の旨さ しなの鉄道中軽井沢駅にほど近い、「JA佐久浅間軽井沢直売所」は、新鮮な地元の野菜が揃う人気のスポットだ。夏の最盛期には、多くの人がオープン前から列をつくり、朝採れたばかりの艶やかな根菜や露の滴る青々とした葉もの野菜を求めている。 中でも注目されているのが、軽井沢町内で育てられた〝軽井沢霧下野菜〞。朝霧のまく高原独特の気候が、しっとりと土の表面を湿らせ、実る作物を甘く、柔らかく育てるため、他所の作物と差別化するために商標登録されたものだ。特にキャベツや白菜、レタスなどの葉物の柔らかさは格別。「白菜もぜひ生で味わって、旨みを確かめて」と運営委員会長の柳沢昌隆さんが言うように、その味の濃さ、深さは、サラダでシンプルに噛みしめたい。
土壌づくりで変わる野菜の滋味 さまざまなショップが立ち並び、多くの人で賑わう軽井沢本通りの一角でも、ふと瑞々しい大地の香りが感じられる場所がある。軒先に積まれた葉野菜やトマト、キュウリ…。軽井沢近郊の畑でEM自然農法を手掛ける「田七屋」のアンテナショップだ。ここに並ぶ野菜やハーブ、果物はすべて、自社農場かEM自然農法を取り入れた契約農家で採れたもの。「EM(=有用微生物群)が多く存在する健康な土壌で育てられた作物は、病気や害虫に強くなるため無農薬・低農薬で栽培でき、必然的に味が変わる」という代表取締役・小泉稔さんの言葉通り、その味わいは驚くほど滋味深く、鮮やかだ。例えば、パリッと水洗いしたレタスは、何をつけなくてもエグみがなく、果物のような甘ささえ感じるほど。話題のトウモロコシやカボチャ(コリンキー)はもちろん、ズッキーニまで、品種によっては生食できるという。
軽井沢発、地元育ちの芋焼酎 軽井沢をはじめ浅間山麓のこの地には、より良いものを作ろうと研究を重ね、情熱を傾けて、農業に取り組んでいる生産者が多い。野菜、果樹の専門家だけでなく、加工品を製造する人たちが、そのこだわりから自ら畑を耕し、種をまいて、原料を栽培することもある。中山道岩村田宿で江戸時代から続く老舗の酒蔵「戸塚酒造店」では昨年から、自家栽培の芋で醸した芋焼酎〝こてさんね〞を町内限定で販売し、評判を呼んできた。原料はすべて軽井沢の自社農園で無農薬栽培したサツマイモ。肥料には焼酎粕を使い、蔵元・蔵人が一丸となって大切に育んだ芋は、本格芋焼酎といえば九州という従来のイメージを覆し、香り豊かで飲みやすい高原の芋焼酎として結実している。
朝の収穫がメニューに並ぶ豊かさ 名立たるレストランのシェフが直接畑を訪ね、その日その日の食材を仕入れていくという光景も、自然と街との距離が近い軽井沢では珍しくない。「遠山園芸」の2代目、遠山冬樹さんは追分の一角で、販売用の野菜苗や花苗を育てる傍ら、少量多品種の野菜を育てている。たとえばシソ科の一種であるセイボリーやノコギリソウとも呼ばれるアキレア。多種多様なイタリア野菜やハーブ類をはじめ、八町キュウリや軽井沢甘南蛮など信州生まれの伝統野菜も手掛け、地元のレストランやピッツェリア、ベーカリーに重宝されている。遠山さんいわく「要望に応えていくうちに、いつのまにか種類が増えていた」そう。土づくりは堆肥をベースに、肥料もサプリメント的に量を調整しながら利用し、安全性や美味しさを保ちながら、安定した供給ができるように心がけている。 土壌づくりや農法にこだわり、積極的に作物と取り組む農のプロフェッショナルたち。農家自身が連携して設ける直売所や、ハルニレテラスで年3回開かれる〝軽井沢マルシェ〞など、彼らの真摯な姿勢や志に直接触れられる場所も近年増えて、多くの人を惹きつけている。豊かな自然と心ある生産者に育まれた軽井沢の野菜は、これからも避暑地の上質な食文化を力強く支えてくれるに違いない。
[取材協力]JA 佐久浅間軽井沢直売所/田七屋/戸塚酒造店/遠山園芸
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色鮮やかなトマトや朝露のこぼれそうなレタス。街かどのショップで、レストランの軒下で、軽井沢のあちらこちらで、瑞々しい野菜に出会えるこの時期つくり手こだわりの味を楽しみながら、高原の自然をめいっぱい、体の中に取り込んでいこう
直売所で知る地物の旨さ
しなの鉄道中軽井沢駅にほど近い、「JA佐久浅間軽井沢直売所」は、新鮮な地元の野菜が揃う人気のスポットだ。夏の最盛期には、多くの人がオープン前から列をつくり、朝採れたばかりの艶やかな根菜や露の滴る青々とした葉もの野菜を求めている。
中でも注目されているのが、軽井沢町内で育てられた〝軽井沢霧下野菜〞。朝霧のまく高原独特の気候が、しっとりと土の表面を湿らせ、実る作物を甘く、柔らかく育てるため、他所の作物と差別化するために商標登録されたものだ。特にキャベツや白菜、レタスなどの葉物の柔らかさは格別。「白菜もぜひ生で味わって、旨みを確かめて」と運営委員会長の柳沢昌隆さんが言うように、その味の濃さ、深さは、サラダでシンプルに噛みしめたい。
土壌づくりで変わる野菜の滋味
さまざまなショップが立ち並び、多くの人で賑わう軽井沢本通りの一角でも、ふと瑞々しい大地の香りが感じられる場所がある。軒先に積まれた葉野菜やトマト、キュウリ…。軽井沢近郊の畑でEM自然農法を手掛ける「田七屋」のアンテナショップだ。ここに並ぶ野菜やハーブ、果物はすべて、自社農場かEM自然農法を取り入れた契約農家で採れたもの。「EM(=有用微生物群)が多く存在する健康な土壌で育てられた作物は、病気や害虫に強くなるため無農薬・低農薬で栽培でき、必然的に味が変わる」という代表取締役・小泉稔さんの言葉通り、その味わいは驚くほど滋味深く、鮮やかだ。例えば、パリッと水洗いしたレタスは、何をつけなくてもエグみがなく、果物のような甘ささえ感じるほど。話題のトウモロコシやカボチャ(コリンキー)はもちろん、ズッキーニまで、品種によっては生食できるという。
軽井沢発、地元育ちの芋焼酎
軽井沢をはじめ浅間山麓のこの地には、より良いものを作ろうと研究を重ね、情熱を傾けて、農業に取り組んでいる生産者が多い。野菜、果樹の専門家だけでなく、加工品を製造する人たちが、そのこだわりから自ら畑を耕し、種をまいて、原料を栽培することもある。中山道岩村田宿で江戸時代から続く老舗の酒蔵「戸塚酒造店」では昨年から、自家栽培の芋で醸した芋焼酎〝こてさんね〞を町内限定で販売し、評判を呼んできた。原料はすべて軽井沢の自社農園で無農薬栽培したサツマイモ。肥料には焼酎粕を使い、蔵元・蔵人が一丸となって大切に育んだ芋は、本格芋焼酎といえば九州という従来のイメージを覆し、香り豊かで飲みやすい高原の芋焼酎として結実している。
朝の収穫がメニューに並ぶ豊かさ
名立たるレストランのシェフが直接畑を訪ね、その日その日の食材を仕入れていくという光景も、自然と街との距離が近い軽井沢では珍しくない。「遠山園芸」の2代目、遠山冬樹さんは追分の一角で、販売用の野菜苗や花苗を育てる傍ら、少量多品種の野菜を育てている。たとえばシソ科の一種であるセイボリーやノコギリソウとも呼ばれるアキレア。多種多様なイタリア野菜やハーブ類をはじめ、八町キュウリや軽井沢甘南蛮など信州生まれの伝統野菜も手掛け、地元のレストランやピッツェリア、ベーカリーに重宝されている。遠山さんいわく「要望に応えていくうちに、いつのまにか種類が増えていた」そう。土づくりは堆肥をベースに、肥料もサプリメント的に量を調整しながら利用し、安全性や美味しさを保ちながら、安定した供給ができるように心がけている。
土壌づくりや農法にこだわり、積極的に作物と取り組む農のプロフェッショナルたち。農家自身が連携して設ける直売所や、ハルニレテラスで年3回開かれる〝軽井沢マルシェ〞など、彼らの真摯な姿勢や志に直接触れられる場所も近年増えて、多くの人を惹きつけている。豊かな自然と心ある生産者に育まれた軽井沢の野菜は、これからも避暑地の上質な食文化を力強く支えてくれるに違いない。
[取材協力]JA 佐久浅間軽井沢直売所/田七屋/戸塚酒造店/遠山園芸